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コンクリートに亀裂が入ったら?原因と対処法を具体的に解説

「建物のコンクリート部分に亀裂がある」「原因のわからない亀裂を見つけた」建物のコンクリート部分に亀裂が入ると不安を感じますよね。コンクリートに亀裂が入る主な原因として、周りの環境と施工不良が挙げられます。

コンクリートに亀裂が入ることは珍しい現象ではありません。ただし、亀裂の原因や種類によっては専門家への相談が必要なケースもあるため注意が必要です。

そこで本記事では、コンクリートの特徴を解説した上で、亀裂の主な原因について具体的に解説します。また、コンクリートの危険な亀裂や補修のやり方も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

コンクリートの特徴

コンクリートとは、セメントと骨材(陸砂や砂利など)、さらに混和剤と呼ばれる薬品と水を練り交ぜたできた材料の総称です。耐久性が高く圧縮力に対して非常に強い耐性を持ちます。固める前の生コンクリートであれば、ミキサー車で運搬することが可能です。

その用途は幅広く、建築物や道路、高架橋やトンネルなどで使用されています。コンクリートの種類と主な用途について表で確認しておきましょう。

種類 主な用途
鉄筋コンクリート 幅広い建築・土木構造物
軽量コンクリート 鉄骨造の壁や床、屋根や外壁
水密コンクリート 水槽、プール、地下水が作用する箇所など
流動化コンクリート 高層ビル、プレキャスト工場製品
高流動コンクリート 高層ビル、大型構造物
高強度コンクリート 高層ビル、橋
繊維補強コンクリート トンネル覆工、コンクリート製品、プレキャスト部材

コンクリートにはさまざまなメリットがあるため、現代の建築・土木現場では欠かせない材料の1つとなっています。一方で、強い引張力(ひっぱりりょく)や曲げる力に弱く亀裂が生じやすい点は弱点といえます。

コンクリートの亀裂の主な原因

気温の急激な変化や施工不良などが亀裂の主な原因です。亀裂の原因を詳しくみていきましょう。

高い気温や直射日光による乾燥収縮

コンクリートの亀裂は、乾燥収縮(かんそうしゅうしゅく)と呼ばれる現象によって発生します。乾燥収縮とは、高い気温や直射日光といった外部の影響により、コンクリート内部の水分が蒸発することで引き起こされる現象です。

コンクリートには、セメントと骨材をスムーズに結合させるために、水が用いられています。つまり、コンクリートの内部には、はじめから水分が含まれているのです。

コンクリート完成後に、高い気温や直射日光によって乾燥が進むと、コンクリート内部の水分が蒸発して体積が減少します。体積の減少はコンクリートの収縮につながるため、結果としてコンクリートの表面に亀裂が生じるのです。

気温の低下と上昇による凍結融解

凍結融解(とうけつゆうかい)とは、凍害とも呼ばれる、凍結が起こりやすい地域で発生する現象です。コンクリート内部の水分が、凍結と融解を繰り返すことで、亀裂の原因となります。

水分が凍結するとき、コンクリート内部の体積は膨張します。体積が膨張すると、周囲に対して圧力が発生。発生した圧力がコンクリートの限界強度に到達したとき、コンクリートがその圧力に耐え切れなくなり亀裂が生じるのです。

凍結した水分は、気温の上昇によって融解しますが、気温が下がるとまた凍結します。凍結と融解が繰り返されることで、結果として劣化が進行するのです。生じた亀裂から雨などの水分が入れば、凍結と融解が絶え間なくくり返されてしまうでしょう。

施工不良

コンクリートの締固め(しめかため)や養生(ようじょう)が不十分な場合も亀裂の原因となります。

締固めとは、コンクリートを型枠に流し込んだあと、コンクリートに振動をかけることで、型枠の隅々にまで行き渡らせる作業のことです。振動には、コンクリート内部の余分な気泡を排除して本来の強度や水密性を引き出すという目的があります。

一方の養生とは、コンクリートと水の水和反応を進行させるための作業です。これらの作業が不十分な場合、亀裂が生じる原因となります。

塩害による腐食

塩害によりコンクリートに亀裂が生じるケースも要注意です。潮風や道路の凍結防止剤などに含まれている塩化物イオンが、コンクリート内部にある鉄筋を腐食させる原因となります。

鉄筋には、酸化などの腐食から鉄筋を保護する「不動態被膜」という薄い被膜があり、腐食から鉄筋を保護しています。しかし、塩化物イオンがコンクリート内部に一定量以上存在すると、この不動態被膜を破壊してしまうのです。鉄筋が腐食するとコンクリートの体積が膨張するため、亀裂が生じやすくなります。

二酸化炭素による腐食

コンクリートに二酸化炭素が侵入した場合も、亀裂の原因となります。大気中あるいは自動車の排出ガスなどに含まれる二酸化炭素が、先ほどの不動態被膜を破壊する原因となるためです。

二酸化炭素が、コンクリートに侵入すると、水酸化カルシウムとセメント水和物との間で「中性化」と呼ばれる化学反応を起こします。中性化により、水酸化カルシウムは減少し炭酸カルシウムは増加します。

水酸化カルシウムは強いアルカリ性を示す物質ですので、減少してしまうとph※が低下して腐食しやすくなるのです。鉄筋が腐食すると、コンクリート内部が劣化して亀裂の原因となります。

※phとは、酸性、中性、アルカリ性を数値で表したもの。ph7が中性を示す。中性よりも低い数値が酸性を示し、高い数値がアルカリ性を示す。

コンクリートの危険な亀裂と悪影響

コンクリートの亀裂は珍しい現象ではありませんが、緊急性の高い危険な亀裂には気を付けなければいけません。

緊急性の高い亀裂とは、「構造クラック」と呼ばれる状態です。構造クラックは、0.3mm幅より大きい亀裂を指しており、建物の基礎にまで影響する亀裂です。亀裂から、水やさまざまな物質が侵入することで、内部の鉄筋の腐食が進行するおそれもあります。構造クラックの場合は、発見したらすぐ専門家に相談することが大切です。

一方の、緊急性が低い亀裂とは、「ヘアークラック」と呼ばれる0.3mm幅より小さい状態です。ヘアークラックは、亀裂が髪の毛のように細い見た目で、今すぐの重大な欠陥とはいえません。しかし、ヘアークラックから水が入り込み内部の劣化につながる可能性もゼロではないため、亀裂が広がる前に何らかの対処が必要です。

コンクリートの補修と判断の目安

コンクリートの補修には、自分で補修できるものと専門業者の手に委ねるべきものがあります。それぞれの特徴や注意点をみていきましょう。

DIYで補修するのはヘアークラックまで

0.3mm未満の亀裂であるヘアークラックの場合は、含浸塗布工法、低圧注入工法、シール工法などにより補修に取り組めます。

含浸塗布工法とは、含浸材(がんしんざい)を表面に塗布することで亀裂を補修する工法です。亀裂部分に薬液を注入することで、亀裂部分をふさぐ「低圧注入工法」も効果的です。

亀裂の状態から見た場合の補修方法の例を確認しましょう。

亀裂の大きさ 補修方法 特徴
0.3mm幅未満 含浸塗布工法

(表面含浸工法)

コンクリート表面を乾燥させたあと、含浸材を塗布する

補修範囲は、コンクリート表面付近となる

低圧注入工法 亀裂部分に補修材を注入する

低速・低圧で注入するため、奥行きのある亀裂にも対応可能

シール工法 亀裂のホコリや汚れを除いてから、エポキシ樹脂などを擦り込む
0.3mm幅以上 樹脂注入工法 コーキングガンを使用して、シーリング材を注入する。

作業完了まで数日かかるほか、専門的な道具が必要

カットシーリング充填工法 回転工具を用いて、クラックの周りに溝を掘る方法。

専門家への依頼が必要

Basilisk HA

(バジリスク・ヒーリングエージェント)

亀裂が生じたら、コンクリートが自動で修復作業を行うバイオコンクリート

一部の専門業者が対応している※

※弊社(株式会社LIFIX)は対応可能です

含浸塗布工法や低圧注入工法は、専用器具や補修材を用意することで、ご自身でも取り組めます。しかし、作業工程において精密な作業や検査などが必要となるため、専門業者に相談するのがよいでしょう。

また、ご自分で行う亀裂補修は、あくまで応急処置だと捉えることも大切です。補修後に、亀裂が広がったり別の異常が見つかったりしたら、すみやかに専門業者に相談することで被害の拡大を防げます。

亀裂の判断に迷ったら専門業者へ相談を

以下のような亀裂を発見した場合は、地盤の不同沈下が起きた結果生じている可能性があるため、発見したら専門業者へ相談しましょう。

  • 亀裂の幅が0.3mmを超えている構造クラック
  • 地面と水平に伸びている亀裂
  • 斜めに走っている亀裂

地盤の不同沈下とは、地盤の歪みなどの原因によって、建物の重さに耐え切れず、地中に沈み傾く現象です。建物が傾く原因となります。

複数の原因が重なってコンクリートの亀裂が起きているケースもあるため、正確に判断することは容易ではありません。もしも「この亀裂は今すぐ対処すべきなの?」「亀裂以外に気になる点がある」と、亀裂の判断に迷ったりこれまで見られなかった亀裂が生じたりしたら、専門家の判断をあおぐことが問題解決の近道になります。

コンクリートの亀裂に関するご相談は株式会社LIFIXへ

コンクリートの亀裂で不安を感じた際は、株式会社LIFIX(リフィックス)までご相談ください。弊社は、左官工事をはじめとして高圧止水工事や耐震補強工事などの実績を持つ亀裂補修工事の専門業者です。工事が必要な箇所を丁寧に見極めた上で、適切な工事をご提案いたします。

本記事でご紹介した、含浸塗布工法や低圧注入工法も提供しております。さらにBasilisk HA(バジリスク・ヒーリングエージェント)にも対応可能です。

ぜひこの機会に弊社の公式Webサイトをご覧ください。

人々の生活を作り直す 株式会社LIFIX(リフィックス)

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